Day13 ブリュッセル 旅の終わりに ヨーロッパ2019

 15日間に渡った旅が、終わろうとしていた。ブリュッセルの空港に到着した日から、

13日目に同じ場所に帰ってきた。思えば長い旅だった。こんなに多くの場所で多くの人

との新しい出会いや再開がある旅は今までなかった。これからもなかなかないと思

う。

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お世話になったマーストリヒトに大きく手を振る。船にいた人が振り返してくれた。(2019.9.28 Maastricht)

 

 最終日1日だけ泊まったAirBnBを出た。この旅で唯一悪かったのは、この宿だ。

2500円近く払って予約した部屋は、窓のない刑務所の独居房みたいな部屋だった。あま

りに汚いし臭かったので、今詳細まで思い出してここに書くと、きっとさっき食べたカ

ツカレーを吐いてしまうと思う。AirBnBで新しくリリースされた部屋として、掲載され

ていたこの部屋は僕が泊まった日にチェックすると、星5つ中1.5の評価になっていた。

 

 

いざ泊まってみると、その評価にふさわしい部屋だったと思う。オーナーにWiFiとか部

屋の設備について聞いても、目を背けて "I don't know. I don't know. People stay here

for sleep. "と繰り返すだけで、すごく不親切だった。

 

 

 この宿にいると、気分が滅入ってくるから、僕はできる限り外に出ていた。今思い返

すと、それはそれでよかったと思う。最終日宿にずっといるのももったいない。

 

パブに行って、いつの試合かもわからない昔のサッカーの試合を観た。歩き疲れてお腹

が減って、ケバブを食べた。留学時代から何度も足を運んだグランプラスに行って、ラ

イトアップされた建物を観た。世界一綺麗と称される広場を見ても、もう感動すること

はなかった。行きたい場所に行き、見たいものを見て、食べたいものを食べた。そし

て、会いたい人にもほとんど会えた。

 

思い残すことはない、フィナーレにふさわしい、清々しい気持ちになった。質の悪い宿

に泊まって、外に出ざるを得なかったのもそう感じさせるためだったのかもしれない。

ブリュッセルの中心部を歩き回って、宿に戻った。

 

 

 翌日朝早くに宿を後にした。本当に汚い場所ですぐにでも出て行きたかったので、早

朝に出た。昨日食べたケバブがすごく美味しかったので、朝ごはんにもケバブを食べ

た。だいたい直径8cmで長さ40cmの大きさ。それで600円くらいしかしない。結局朝ご

はんでは食べきれなかったので、残りは飛行機の中で食べた。プッシュバックが始まっ

た瞬間にかぶり付いたので、隣のでっかいオランダ人がびっくりして、何か言いながら

見ていた。ちょーぜつ美味かった。

 

 

  長い旅が終わった。僕の心の中にもやりきった感が去来していた。満足感があるので

しばらくオランダには行かないと思う。世界は広い。広い世界にはオランダくらい面白

い場所がたくさんあるはずだ。僕は常々世界の広さが知りたいと思う。また旅をしよ

う。いつか歩き疲れて、思い出を温めたくなったら、それが次にオランダに帰るタイミ

ングのはずだ。

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ブリュッセルの空港で見た看板。旅は一期一会。旅で出会った遠くに住む友人とまた会えたら、そんなに嬉しいことはないと思う。(オリンピックはさておく)(2019.9.29 Brussels Airport)

 

 ヨーロッパ2019 完