8月10日日記 夏休み最終日2020

 ビジネスパーソンになっても、夏休みが存在することを知らなかった。僕はお盆よりも1週早めの休暇をもらったので、暦の関係で10連休になった。9日目友だちと話すまで、10日目が祝日だってことを知らなかった。危うくセルフ出社するところだった。

 

 夏休みと言っても、海も山も海外もせみとりも行かなかった。行けたのかもしれないけど、行く気分にならなかったので、東京で過ごすことにした。しかし、さすがは東京。遠くに行かなくても楽しめる場所はたくさんある。しかも、東京に住むようになってから、気軽に会える人が増えた。滋賀にいる間はどこにいくにも遠出でわざわざ感が凄かったから、これはとても都合がいい。まあわざわざ滋賀から来たから、わざわざ会ってくれる人もいたから、それはそれでよかったけれど。

 

 最終日の午前中は本を読んだり、最近ハマっているドラマを観たりしていた。先週丸の内丸善をぶらぶら本を見ながら歩いていると、村山由佳の小説「おいしいコーヒーのいれ方」のシリーズを見つけた。偉そうに平積みで鎮座していたので、どんなもんかと思って手に取ると、これがなかなかいい。僕は透明感のある青春の恋愛小説が大好きなのだが、まさにそんなストーリーだった。ちょうど直前に観たドラマ「ウォーターボーイズ 2」に設定がよく似ていて、ストーリーも入ってきやすかったと思う。1巻と2巻をまとめて買った。後から調べると、僕が生まれる前の94年に始まって、今年の6月に完結した26年にもなる長生きの小説だった。こういう偶然というか運命の本当の出会いは、本屋の醍醐味だ。

 

ドラマの方はと言えば、アメリカのドラマのスーツだ。僕の海外ドラマ好きの友だちのほとんどが絶賛していたので、普段ドラマをほとんど観ない僕もつられて観た。これが回を追うごとにどんどん面白い。爽快感というかスマートさ全開で、出演者全員に個性が出まくっていて、かっこいい。シーズン7まであるけど、1週間かけてシーズン2まで上陸した。ゴシップガールと違って、まだ飽きてない。

 

午後は、他の一人で過ごした日と同じように御徒町のジムに行った。トレーニングを終えてもまだ時間があったので、品川駅を見に行くことにした。僕が品川駅で見るのは大きく3つ。1改札内のお店(お洒落だから)2東海道新幹線(ホーム感があるから)3京急(ドリーム感があるから)。

 

品川駅の京急の改札を見ていると、不意に飛行機を見たくなった。羽田に行ってみることにした。

 

空港行きの快特に乗っている間に思い出した。去年の夏休みの最終日も空港にいた。

 

去年は2週間のヨーロッパ遠征から帰ってくるところで、セントレアにいた。と言えばカッコいい響きだけど、実際は帰りの飛行機の日本着の日付を間違えていて、内定式前日の夜着の便を選んでしまった。飛行機がちょっとでも遅れれば、内定式に出られなくなるという謎のリスクを犯したけど、僕はやはり運が強くて、無茶苦茶に詰め込んだ予定が全てうまく回って、無事参加できた。

 

内定式の直後、TOEICがあった。正直時差ボケで死にそうだったけど、ヨーロッパにいた2週間で20人近くの人が僕に会って話してくれたおかげで、過去最高点が出た。卒論に追われてなかなか勉強できなかったけど、何とか国際的な仕事がしたいという示しはついたと思う。

 

そんなことを考えながら羽田に着いた。品川から11分しかかからなかった。超早い。

 

日本の空港は、「飛行機を見せる」というサービス精神が高くて、どの空港にもだいたい展望デッキがある。(ヨーロッパであったのは、オランダのアイントホーフェン空港くらい)デッキに上がって飛行機を見てみた。

 

いつもの空港と違うのは、外国の航空会社の飛行機がほぼいないことと、空港の端に肩を寄せ集めて羽を休めている飛行機が何機もいたことだった。コロナがなければ、僕もきっと海外旅行をしていたと思う。僕の大学時代の思い出の多くは海外が絡んでいるので、自分の大切なものを取り上げられて、遠くに置かれてしまった感じがあった。


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JALしかおらん

 

国内線は比較的活気があったけど、僕も空港に求めていたものは単なる飛行機そのものではない気がした。やはり外国に行くというドリーム感が、僕の飛行機像だと思う。中学生までキャリーバックは海外に行く時に使うもので、国内に持っていくのは変だと思っていたくらいだ。


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ANAしかおらん

 

僕は海外にある種の違和感とか、日本にはない意外性を求めてきた。今それを完全に満たすことはできないけれど、せめて新しく来た東京で、面白いものを見てやろう。東京に飽き始めた頃にはまた海外への道が開けているはずだ。