遅延証明書

 東京の電車はとにかく正確でびっくりする。こんなに複雑に路線が張り巡らされているのに、3分でも遅れようものなら駅のアナウンスで申し訳なさそうに謝っているので、面食らってしまう。とはいえ、乗り換えで数分が命みたいなケースもあるので、理解できなくはない。

 

 ときどき、電車がそもそも遅れるものだったら、どうなるんだろうと考える事がある。遅れるのが普通なら、もっと楽になるんじゃないかなと。

 

そもそも日本の電車のスケジュール、正確さをみると、「完璧な品質に対する期待」のようなものを感じて、息苦しくなることがある。2分以上遅れないこと、絶対に事故らないこと、ストライキとかで運休にならないこと。どれも頭に「完璧に」のような言葉が見え隠れする。

 

要は期待が高すぎるのだ。高すぎる期待の先には、期待に応えるための果てしない努力か、期待に応えられなかった失望感の2つに1つになる。

 

日本の電車の場合、完璧に動く事が当たり前という高い期待があるので、それを成し遂げるために人間的な働きを超えた努力がある。遅延や運休など、その期待が外れた時、僕らは大きな失望感を味わう。結果、駅員さんに怒鳴り散らすおっさんが爆誕する。

 

日本の品質はこういう正確さ、緻密さに支えられていたりするので、一概には比べられないけど、オランダに行った時、一番最初に驚いたのはそこだった。

 

日本からオランダに来る日本人留学生の僕以外は、オランダのハブ空港である、スキポール空港着のフライトを使ってオランダに入っていた。僕は、それじゃオモんない!と思ったので、イキってマーストリヒトの近くのドイツのドュッセルドルフ空港を利用することにした。(これが地図だと、スキポールより近いのだけど、いざ電車に乗ると、階段を昇り降りする乗り換えが3回あって、近くてバカ遠いのだ。)

 

空港からは電車で向かうことになっていた。ところが、電車は待てど暮らせど、全然こない。特に放送もないので、ジタバタしていると、40分くらい経ってようやく電車がノロノロとやってきた。その時も特に案内もなく、それに目くじらを立てている人も一人もいなかった。あれドイツなのに、と思って面食らってしまった。

 

ドイツでもこんな感じなので、ヨーロッパは終始こんな感じでスト、運行取りやめ、大幅な遅延などざらにある。不便さを受け入れるみたいなとこがヨーロッパに住む一つのカギである。

 

話が発散してしまったけど、完璧すぎるのはどうなのかなーっている日々雑感の回でしたー。(無理やり締めます笑)