Day11,12 マーストリヒト、ブリュッセル ヨーロッパ2019
(頭に浮かんだことをつらつら書いたので、読みにくいかもしれません!)
僕は、伝統があるものに強く心を惹かれる。
いつからそう感じるようになったかは強く覚えていないけど、少なくとも高校生の時は
もうそう感じていた。中学校も高校も割と校歌がモダンで、高校野球でよく見る伝統校
みたいなものにすごく憧れていたのをよく覚えている。
だから留学先にマーストリヒトを選んだのは、ベストチョイスだったと思う。アメリ
カじゃなくて、ヨーロッパ。アムステルダムじゃなくて、マーストリヒト。何かに導か
れるように、僕はマーストリヒトにたどり着いた。
留学中、毎朝自転車で通学する途中に見ていた駅舎、古い橋、旧市街、教会。その全て
が新鮮で、最後まで飽きることがなかった。留学中に何度もあった、うまくいかない
経験も、マーストリヒトの400年の歴史の街を見ていると小さいものに思えた。僕はマ
ーストリヒトでの生活を通して、動じない姿勢を身につけた。
まる一年経って帰ってきたマーストリヒトの景色は、まるで変わっていなかった。
400年の歴史に比べれば、1年なんて瞬きくらいのものなのだろう。ただ当時の友だち
は、ほとんどがマーストリヒトを離れた。景色は同じでも、同じ状況を再現することは
できない。
マーストリヒトに来たのは、残っている数人の友だちに会うのと、大学に行って、先
生に会うため。そう考えてみると、毎日眺めてあんなに好きだった景色は、僕にとって
そんな大きな意味はなかったのかもしれない。僕は景色とか、有名な場所を回って写真
を撮るような観光に興味がない。心のつながりを感じるような経験がなければ、マ
ーストリヒトも、よくあるヨーロッパの街のひとつなだけだ。
マーストリヒトは地方都市で、仕事もそんなにたくさんない。だから年々マーストリヒ
トにいる友だちの友だちの数は減っていく。留学が終わってから、1年後の今年です
ら、半分以上はもういない。
留学が終わった時からマーストリヒトに行くなら、今年の夏しかないと思っていた。い
ざ行ってみて、この旅が最後のオランダになるような気がした。街の景色は変わらなく
ても、そこにいた人も僕のマーストリヒトに対する思いも変わっていく。変わらないの
は、思い出だけかもしれない。
世界はすごいスピードで変わる。僕はときどきそのスピードに戸惑う。
そんな時に、変わらないマーストリヒトの思い出に、思いを馳せようと思う。