卒論体験記② 2018-2020

ちなみに僕の卒論のテーマ

 回り道から入ったけど、ちなみに僕の卒論のテーマは、「国際的起業家を形作った過去の経験は何か」である。散々、前置きをしておいて、なんじゃこのテーマはという人もいるでしょう。(というかほとんどそうだと思います。冷めた反応を避けるために、テーマをあえて②の記事に書きました。)あらすじをここでは示しておく。後のプロセスに関する記事を読むと、テーマがじっくりと滲み出て、よりわかってもらえると思う。本編の内容は卒論の原本の記してあるので、このブログでは、そのプロセスに焦点を当てる。

 扱うもの   

外国で起業した日本人、外国の市場に参入することを最初から視野に入れて起業した日本人を日本人国際的起業家として、題材にした。

 研究方法   

インタビュー、公式サイトの訪問。これらを通して、日本人国際的起業家のを過去の経験を定点観測。彼らが並外れた行動を取るようになった地点を掘り出す。

 調査場所   

ベルギー(アールスト)、セルビアベオグラード)、日本(彦根、京都)

 明らかにしたかったもの 

「外国、起業」というかなりハイリスクで未知なものに挑む人たちを形作った経験は何か。それらが、遺伝や幼少期の家庭環境ではなく、自分の手で掴んだ経験から来ていて、それがどのような経験やマインドから来ているのか、明らかにする。

 伝えたかったもの(インプリケーション)

結論以外に(結論は結局はっきりしなかった。)僕の卒論を目にする人に伝えたかったのは、行動を取ることの重要さだ。いわゆる「すごい人」が、すごいのではなくて、少しずつ経験を積みながら成長していったということを伝えたかった。また、僕自身を未知のテーマに挑むことで、僕自身が挑戦している姿からゼミの同級生や後輩に、「あの人がやってるなら、俺にもできるじゃん!」みたいなマインドを持ってもらうのが、ねらい。

 その他のキーワード   

暗黙知形式知化、抽象化、ベンチマーク、定性分析

 

 

 

いくつかの言い訳

 そこまでいうなら、お前は大そう立派な研究をしていたんだなとなるが、それについてはわからない。あくまで僕と、この卒論のテーマを伝えた数人がいいなと言ってくれただけだからだ。また当時の僕の環境を振り返ると、結構難しさがあったなと思う。ここでは、その状況を正直に書き出してみる。

 当時僕は、ゼミ内で忖度しまくっていた。根底には、僕の思いが伝わらないという悩みがあった。留学から帰ってきた後、自分がオランダで学んだものを還元しようと思って一生懸命伝えたけど、ほとんどわかってもらえなかった。あくまで自己認識だけど、僕がショックを受けたのは伝わらなかったという事実より、理解しようという歩み寄りの気持ちが感じられなかったことだ。(という僕の認識。あくまで。)ここから、僕は自分の本当の思いを伝えることを避けて、相手になるべく合わせるようになった。その姿勢自体は大事なことな気がするけど、怖かったのはそれを続けて、自分の気持ちがわからなくなってしまったことだ。自分を殺すことで、自分の立ち位置を見出していた。正直に言えば、ゼミ内の卒論発表の時間でも、初期の明らかにダメなポイントを指摘されたことはあったけど(それはそれでかなり重要。)内容を踏まえたフィードバックをもらえた記憶があまりない。

 さらに当時お世話になっていた先生とも根本の価値観に違いがあり(これも自己認識)、本当の意見を言えば、信頼関係が崩れてしまうと思っていたので、なるべく先生の話を聞いて、自分の意見は言わないようにしていた。結局ゼミでは、深いところで自分のことをわかってくれる人がいないと思っていた。だから、自分の思いを込めまくった卒論も理解してくれる人は、そこにはいないと感じながら取り組んでいた。(これもあくまで自己認識。)本音が受け止められないというのは、きつかったなと今は思う。