黄金の議事堂と社会が抱えるジレンマ Budapest, Hungary Day2 2018.1.4

 ハンガリーの国会議事堂に個人旅行で入るには、当日チケットオフィスに行って、空いている時間と言語ごとのツアーを探す必要がある。国会議事堂は常時観光客でごった返している。この日もめちゃくちゃ混んでいた。どこかのサイトに、朝のかなり早い時間にチケットオフィスに行かないと、まずチケットをゲットできないと書いてあったので、ダメ元で行ってみた。

 

やっぱりチケットは売り切れだった。しかし、よく見ると午後のヘブライ語のツアーのチケットが一枚だけまだ残っていた。聞いてみると、一枚だけ残っているらしい。僕は迷わず買った。しかも、EUのオランダの留学ビザがあったので、格安の500円くらいで入れた。ビザなしで日本人が来ると、2000円くらいになるらしい。これはラッキーだ。

 

12時45分からのヘブライ語ガイド付きの見学ツアーには、イスラエル人に見える人たちと中国人の観光客が半々くらいだった。彼らも僕と同じことを考えていたのだろう。

 

議事堂は、のっけからすごかった。装飾や彫刻がそこら中にあって、建物全体がギザギザでツンツンしているような印象を受けた。こんだけ装飾を施しまくっている建物は日本にはない。

 

圧巻は議会場だった。議会場全体が、黄金に光り輝いていていた。日本の国会議事堂のそれとは、豪華さが違っていた。運よく議事堂見学ができて本当によかったと思う。

 

ところで、ハンガリーEU加盟国だが、共通通貨のユーロを導入していない。記事によると、ユーロ導入のためには財政健全化しなければいけないけど、それをクリアできていないようだ。要するに借金が多すぎる。ハンガリーの財政は、真っ赤だ。

 

日本には、ヨーロッパに対するステレオタイプなイメージがまだ残っている。「きれいで、豊かで、みんなが幸せなヨーロッパ」だ。そのイメージは、ハンガリーの国会議事堂のような豪華絢爛な建物や、歴史あるきれいな街並みによって助長されている。僕のハンガリーのイメージは黄金である。

 

一方で、ハンガリー人は議会の建築様式とか古い街並みを毎日気にしているのだろうか。オランダでは、街並みに毎日感動している地元の人は、ほとんどいなかった。おそらく、ハンガリーでも気になるのは、議会で決められる予算案だったり、ヨーロッパでも屈指の高さを誇る消費税(なんと27%!これは北欧より高い!)など、日々の生活に関わるお金だろう。

 

観光客や移民は、きれいなヨーロッパを思い描く。ハンガリー人は、日々のお金や現実の問題に向き合う。この矛盾がBrexitなどの、ヨーロッパの亀裂を生んでいる気がした。

 

オランダに留学して、その土地に住んで、じっくりと観察してみないとわからなかったことが、ハンガリーで言葉に落とせた気がした。