小さな一歩目を踏み出し続けること
インド出発を目の前にして、今猛烈にインドに行くテンションが下がっている。「なぜインドに行くのか?」。今考えてもしょうがない問いが頭の中をぐるぐるしている。インドと間違えて、アメリカに行ってくれないかと思うほど、ナイーブな気持ちになっている。
初めてやること、初めての場所に行く時、だいたい僕はブルーな気持ちになる。知ったことや場所の方が断然楽だから。もし今オランダとかハワイとか行くとしたら、おそらくそれは僕の脳ミソのほとんどの部分をスリープ状態にできるような楽な旅になるだろう。かなり心配も少ない。そんな旅行に憧れる。
でも、だからこそ、今僕はその対極を目指すべきだと思う。もちろんグループで旅行するのは、そう行った場所がいい。でも自分が身をおくなら、見たことのない景色が広がっている、未知の世界に向かうべきだ。
未知のインドという国で自分にどんな化学反応が起きるか、見てみたい。それが楽しくても、めっちゃきつくても、自分の足跡として残るのだから。そこで感じる自分は大分違って見えるはずだ。
新しい世界に踏み出す時に不安になると、僕は「小さな一歩を踏み出し続けること」を自分に言い聞かせる。知らない山に挑む時、頂上を見つめると、その高さにうろたえる。しかし高い山に自分を導くのは、足元を見つめて、一歩を踏み出し続けることだ。たとえその一歩が小さくても。歩みを積み重ねれば、標高0mで始まった自分を押し上げ、頂上に自分を近づけてくれる。目の前のできることをやることの積み重ねが、頂上へ自分を導くのだ。
不安を乗り越えたインドから見る景色は、きっと美しい。その景色を見据えて、また一歩踏み出そう。徹頭徹尾自分のための文章になったけど、最後も自分にエールを送る。
「恐れずに。しかし、気をつけて。」(沢木耕太郎)