やれば、必ず何か変わる。小さな一歩目を踏み出すこと。

 新しいことをやるとき、未知な世界に挑戦するとき、足がすくむ。不安になる。ビビる。大学時代、行動を続ける中で、何度もやめようと思ったことがあった。今でもある。

 

 そんなとき、僕は「小さく、一歩目を踏み出すこと」を大事にしている。

未知なことに挑むとき、だいたいそのゴールばかり見てしまうものだ。例えば、世界一周の旅に出ようとしたら、だいたいすでに世界一周していて、自信に溢れた人を見てしまう。もちろんそういう人は「すごい人」だ。ただ、その状態だけを見てしまうと、僕らはうろたえて、行動を諦めてしまう。

 

忘れてはいけないのは、その人たちも、地道な一歩一歩を積み上げてきたということだ。

 

 一足飛びで頂上にたどり着いた人なんか、ほとんどいないと思う。一部の天才はラッキーで、そうできるのかもしれない。でも僕のような凡人は一歩一歩積み上げること、それが頂上とか見たこともないような景色にたどり着く方法なんだろう。その道中で、順調に行かなかったり、小さなミスを犯してしまうこともよくある。でもそのまっすぐな道から少し外れてみて、違って景色も見ることで、その道のりは、ぐっと味のあるものになるはずだ。

 

初めて、海外で一人になったとき、とても緊張した。バンコクカオサン通りに行くために、一人で行ったとき、本当に着けるのかビクビクしていた。それでも、着くことができた。行ってみたら、たくさんのバックパッカーが集まっていて、自分の体の内側から興奮するような感覚があった。ドイツでヒッチハイクしたときも、外国でそんなことができるのかずっと疑っていた。いざやってみると、わざわざ電車の切符を買い与えてくれたり、150kmの距離を乗せてくれて、ずっと面白い話をしてくれたような親切な人もいた。

 

新しいことは、やってみなければわからないものだ。

 

 いつも初めは小さな一歩だ。でもそれを積み上げることが、自分の想像の外側にあるような「すごいこと」をやることなんだと思う。

 

 大学生活の締めくくりに僕はインドに行く。インドに一人で行くのを想像すると、悪いことばかり考えて、気持ちが滅入ってしまう。インドだって行ってみなければわからない。不安なら、その前の準備をちゃんとすればいいだけだ。「世界の広さが知りたい」、そう思って駆け抜けた大学生活の最終章のインドを全身で味わってこよう。