空想 インド紀行 vol.1 インド入国、ムンバイ、バンガロール

 インドのことが気になって、頭から離れない。気になってしょうがないので、いっそもうインドに行ったことにして紀行文を書いてみる。今飛行機と宿の予約だけは固まりつつあるので、それらを元に空想でインド体験記を書く。

 

 関空から北京を経由して、深夜ムンバイの空港に着いた。北京の空港では3時間の乗り換え時間があったが、空港には重々しい雰囲気が流れていて落ち着かなかった。感染症対策で、空港のスタッフはほぼ全ての人がマスクを着用していた。僕は比較的短時間の乗り継ぎで入国はしなかったので、中国内部の様子がどうなっているか、詳しくはわからない。でも、空港はその国の鏡だとよく言われるように、北京で見たそれは中国の実情を映し出していたはずだ。

 

北京からデリーに向かう便には、中国人だと思われる人はほとんどいなかった。同じ便を過去に使ったことのある人が言っていたけど、少なさは予想以上だった。中国政府の団体客の海外渡航禁止措置が追い討ちをかけたのかもしれない。そんなことを考えながら、6時間ぐらいでムンバイに着いた。

 

 僕は日本にいる間にインドのEvisaをしておいたので、入国はすんなり行くと目論んでいた。けれど、インドも中国からやってくる人をかなり警戒しているようで、入念に取り調べられた。僕は乗り継ぎで中国の空港を利用しただけなのだが、それでもかなり長い間待たされて、とてもくたびれた。結局イミグレーションを通過できたのは、到着から2時間後の朝の3時過ぎだった。

 

 今日はムンバイへは行かず、トランジットでバンガロールに向かう。インドは北から入ると、嫌いになってしまうようだ。南インドから入る方がインド初心者にはいいようだ。今回はその話にしたがって、強引に南から入ることにした。6時のエアインディア に乗る。

 

空港で仮眠することにした。僕は思ったより疲れていて、空港の雑魚寝でも、すぐ寝入ってしまった。インドでは飛行機のチケットを持っている人以外は、基本的にターミナルに入れない。その点は割と安心だ。気づくと、5時になっていた。急いで、チェックインの準備を始めた。