東京で聞こえる音 上野の心地よさについて
勢いがあるかどうかは、僕にとって、とても大事な要素だ。忙しくしていれば、自然に色々なものの効率を上げようとして、僕の行動サイクルも上がる。逆に自由に使える時間が多すぎると、本当はたくさんのことができるはずなのに、怠けてしまう。ここ最近は後者の負のスパンに陥っていた。よろしくない。
東京に来てから、数度出社する機会があった。僕は千葉県の常磐線沿いの街に住んでいて、上野のオフィスに通勤している。(正確にはしていない)だから日々東京のほとんどの場所に寄らずに生きていることになる。
上野は今まで、そんなに強く意識したことはなかった。上野を目的地として、東京を訪れたこともない。東京で立ち寄るのは、新宿とか渋谷とかいかにも東京の混みまくった場所だった。
上野は、それらの場所と比べるとかなり落ち着いた場所のように見える。上野公園には、小さな森もあるし、いくつも美術館がある。上野駅の周りは古さを大切にしているような店が多い。僕の肌にすごく馴染んだと思う。
色々な顔をもつ上野でも特にいいなと思ったのが、上野で聞こえる音だ。自然の音も人と人が話す音も何か馴染みがある。大きなオフィスの中を歩いているように感じる新宿や大手町にはない心地よさがある。
出社する日が待ち遠しい。それまで、千葉県でじっとしていよう。田舎者のように部屋から見えるスカイツリーと東京に思いを馳せながら。