背中を押す、自分の足あと

 東京(千葉)に引っ越した。新しい生活が始まって、ワクワクする気持ちもあるけど、不安も大きい。考えてみれば、新しい環境に飛び込む時、いつも興奮と不安が自分の中に生まれる。

 

大学1年生のとき、初めて海外で一人で行動した時もそうだった。夏休みに大学のプログラムで行ったタイでみんなの輪から離れて、一人でカオサン通りに行ってみた。今考えれば、海外で一人でタクシーに乗るなんてどうってことないけど、当時は心臓がバクバクした。無事着いたとき、一人で来られたことにとても感動していた。カオサンの看板がとてもキラキラして見えたのをよく覚えている。

 

オランダ留学で、授業で初めて挙手して発言した時もそうだった。オランダは授業中の発言がとても重視される。それまで何度も発言をためらっていた僕は、今度はチャンスを逃すまいと手を挙げた。何回も頭の中で英語が間違っていないかチェックしたのに、いざ話し始めると頭が真っ白になって、自分が言っていることも、先生が言っていることも全く分からなくなった。お世辞だと思うけど、後で先生がいい意見だと言ってくれて、すごく嬉しくなった。

 

ワクワク感は僕に一歩踏み出す勇気をくれる。新しいこと、やったことのないことは、いつも面白い。ワクワク感を追いかけて、バックパックヒッチハイク、留学、政府派遣の国際交流など、たくさんのことに取り組んできた。興奮はいつも僕を動かす原動力だ。

 

一方で、ドキドキ感も僕にとって大事な感情だ。適度に緊張することで致命的なミスを防いだり、危険を回避したりできる。海外で危険な場所に入ってしまわないように、最低限の情報はいつも事前に頭に入れていた。留学中の授業では、きちんと意見が言えるように毎日何時間も予習をして準備していた。僕は心配性らしいけど、その性格が僕のチャレンジ精神に適度にストップをかけ、危機的状況を未然に防いでくれた。

 

興奮と不安を同居させることで、今まで未知な世界を切り開いて、いつも無事帰ってくることができたと思う。就職を目の前にして、今も2つの感情が僕の中にある。未知な世界を切り開いた後に広がっている景色は、いつも美しい。それが未知であればあるほど。今僕が飛び込もうとしている世界は、今まで見ていたものとは全く異なるものだ。その後に広がっている景色も、今までにないくらいきれいなはずだ。それを目指して、恐れずに、だけど気をつけて前に進もう。大丈夫。今までの自分の歩みが支えてくれるから。

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大学最後の1年間住ませてもらった国際交流会館のチューター室。お世話になりました。(19.3.2020 Hikone)