卒論体験記④ 2018-2020

3ヶ月の夏休み、元留学生

 僕は、2018年の8月に留学を切り上げて、オランダから帰国した。あえて、切り上げてという言い方をしたのは、授業が終わったタイミングで帰国した訳ではなく、自分で決めたタイミングで帰国したというからだ。

 

 正直に言うと、オランダの大学での授業と試験は、6月ごろ(ここは記憶が曖昧で7月だったような気もする)には終了していて、その後は夏休みだった。ヨーロッパの大学の夏休みは長い。日本のような春休みがなく、長期の休みと言えば、夏休みぐらいで、およそ3ヶ月はある。地元のオランダ人学生やヨーロッパ圏内の留学生はほぼ全員、家に帰るので、大学のあったマーストリヒトは空っぽになっていた。

 

僕のオランダでの夏休みは6月に始まり、日本で授業の始まる9月まで続いたので、3ヶ月近くの休みを手にすることになった。ただ、この時期はオランダにいても全然面白くなかった。僕は留学の締めくくりに、自分の課題を終わらせてから、帰国することにした。

 

この時期僕がやろうとしていたことは、大きく2つある。1つは、EU圏外のヨーロッパの国を見ておくことだ。僕は東欧を旅することにした。オランダでの授業期間中1週間程度の細かい休みがちょくちょくあって、僕は西側のヨーロッパの主な国はだいたい制覇していた。旅をするごとに西ヨーロッパは想像通りで、どこも似たような景色だなと思い始めていた。留学終盤に近くにつれて、僕の関心は東欧に向いて行った。

 

 留学最後の旅は、リトアニア(昔お世話になったホストファミリーに会うため)、ベラルーシリトアニア(友だちに会うため)、パリ、オランダという経路をたどった。EU圏外のヨーロッパを訪れたのは、EUについて考えるいいヒントになった一方で、このタイミングでもっと欲張って旧ユーゴスラビアの国々も行っておけばよかったと今は思う。

 

 もう一つは、国際機関就職について、現場を見ておくことである。僕はこのタイミングでは、まだ将来国際機関に就職するキャリアを諦めていなかった。滋賀に戻ったら、国際機関の現場に触れる機会はないと思って、この時期に国際会議への参加、EU本部の訪問、国際機関で働く日本人職員さんとの交流会など、色々やった。結局、国際機関に就職するキャリアはこのタイミングでは選ばなかったけど、この時期の行動はすごくいい経験になった。自分の目線を大きく上げてくれるような機会やいい緊張感を与えてくれる友人ができた。

 

 その当時、やりたいと思うことをやり終えて帰国した。日本は記録的猛暑の夏だった。

(まだ日本編始まりませんでした。次は日本での夏休みについて書きます。)