卒論体験記⑥ 2018-2020

 職場体験

 そのインターンシップの会場は名古屋にあった。初めてスーツに身を通して、やっと他のゼミ生の就活に追いついた気がした。(帰国直前、同級生がゴリゴリインターンシップに行っているという情報を聞かされて、焦っていた。)

 

 インターンシップは、生命保険業界を知るというのが、主な内容だった。これが結構面白かった。他の大学生と関われたこと、今まで全く関わってこなかった就活をかじれたことは、新鮮に思えた。よく覚えているのが同じグループになった名大生が、今まで参加したインターンシップで支給された昼のお弁当の品定めをしていたことである。タダでもらってるくせに、何だ。その人はなかなかくせのある話し方をしていた。往々にして、マイナスな記憶の方が長い期間覚えているものである。(時々自分がニヒルになることがあって、僕自身もその性格はあまり好きではない。)

 

 結果的にその会社と就活中に出会うことは一度もなかった。その会社というより、生命保険業界とご縁がなかったのだろう。

 

 

 

 大学に復帰。3,5回生デビュー。

 さて、留学を片付け、就活をかじると、後に残るのは大学のゼミ活動である。これが相当に大変だった。いかんせん僕と他のメンバーの噛み合わせが悪かった。

僕のいたゼミでは、1学年10人のゼミ生を3チームに分け、研究グループを作る。それぞれのグループで経営に関するテーマを設定し、6月から半年程度研究する。

 

 最初のミーティングで何となく察した。明らかにチームはお互いを拒絶している空気が漂っている。何をやっているのか、僕はミーティングに参加したり、議事録を見返したりしても全然理解できなかった。

 

 結局僕は先生やゼミの先輩の4回生に聞くことにした。でもなかなか判然としない。どうやら誰も僕のグループが何をやっているか、全体像を把握していないらしい。進捗度を聞くと、たぶん2割くらいとのことだった。

 

 このグループでは僕も今思えば反省することもいくつかある。オランダから帰ってきた僕は、責任感がとても強く半ば強引にグループを引っ張ろうとしていた。途中から参加したこともあって、他のメンバーは相応に抵抗があったと思う。

 

 夏休みはほとんどこのグループでの研究に費やされた。その後、このチームは崩壊していく。