卒論体験記⑨ 2018-2020

  巨人

 怖い。それが会ったときの正直な感想だった。

 

 その人は当時就活で気になっていたリクルートの社員ということで会いに行った。が、その人はそれをはるかに上回る存在だった。というか、自分の想定の天井をバリバリ壊すような「すごい人」だった。僕は自分のプライドとかちょっとすごいだろ俺みたいな邪心が吹き飛ばされてしまうような感覚を味わった。自分の想像の範囲から思いっきり飛び出してしまった人とサシで話すことになって、「怖い」と思った。僕は自分を一気に小さく感じてしまった。

 

 熱力の塊だった。学生時代から世界一周、アフリカ縦断、0円ヒッチハイクで日本一周、筋トレ。やりたいと思ったことをなんでもやりまくっている人だった。あまりに素直に、そして爆発的な熱量で取り組んでいるので、聞いているだけで圧倒されてしまった。「リクルートの人」として会ったのを後悔した。約束した昼の1時間はあっという間にすぎた。その人は「じゃっ!」と言って颯爽と梅田のタワーオフィスに消えていった。今までの自分は何をしていたのだと思って、しばらく僕はうなだれていた。

 

 今振り返ってみれば、僕の目線を一気に押し上げてくれるような衝撃的な出会いだった。

 

 滋賀大では絶対会うことができないような「すごい」熱量の人に会うことができたのだ。そこまで毎日を全力で生きている人は今までいなかった。当時天狗になって、周りを見下していた僕には、ちょっと苦くて、めちゃめちゃ効く薬だった。日本とか海外とか関係なくまだまだ面白い人はたくさんいる。そして自分はもっと大きなことができる!そう思わせてくれるような素敵な出会いだった。

 

(この時お会いしたあきおさんは僕の人生に大きく影響を与えてくれた人なので、

 感謝の意味も込めて、HPのリンクをここに貼っておきます。)

https://akionakagawa.com/

 

僕はあきおさんがどのようにして、バイタリティーあふれる人になったのだろうと気になった。ブログの記事を1から全て見直した。その人が引用していた記事の中に当時の僕を感動させる出会いがあった。

 

 この記事が僕の卒論のテーマを一気に決定づけることになる。