オランダで病院にかかった話

 僕のブログには、書きたいことを書いた文章と読んでほしいことを書いた文章が混在している。書きたいことを書いた文章は、書きたいように書いたから、のっぺりとした長い文体になっている。特にインドの旅は、人に読んでもらうことを意識せずに書いたので、のっぺり感がすごい。(インドでの経験が膨大すぎて、まだ自分の中でうまくまとまっていないのもあるけど)今回は、久しぶりに引き締まった文章を目指してみる。

 

 最近コロナの拡大でヨーロッパのニュースが流れることが多い。それを観ていると、オランダで病院に行ったことを思い出す。僕は1年の間、計3回病院に行った。

 

一番印象的だったのは、2月にインフルエンザにかかって、病院に行った時だ。

 

一言で言うと、オランダの診察は大ざっぱだった。

 

2月の中ごろに僕はベルギーのブリュッセルに遊びに行った。マーストリヒトからブリュッセルへのバスに乗っている間に、その前の学期に同じ授業を取っていて、パーティーで話した友だちからたまたま連絡があった。その子はブリュッセルに住んでいて、聞くと今日時間があるらしい。僕たちは、グランプラス広場で会うことになった。

 

集合は夜の19時。僕たちは落ち合うと、思いのほか話が盛り上がって、とりあえずの立ち話のつもりが、その場に座って本格的に話し込んだ。これがめちゃ痛いミスだった。ベルギーの冬は鬼のように寒い。おそらく体感気温は0℃くらいだったと思う。結局、僕の帰りの電車の時間ギリギリまで外で喋っていた。家に戻ったのは、夜の1時前だった。

 

翌日、ドイツから友だちが来て、近くのベルギーの街に一緒に行った。でも体がものすごく、重かった。次の日、僕は完全にダウンした。

 

僕は加入していた保険会社に電話した。症状を伝えると、病院を探してくれて、タクシーでマーストリヒト大学病院に行くことになった。ここは電車の駅の真横にある病院で、相当デカい。

 

病院に着くと、待合室はかなり混んでいた。受付の人は今の時間だと、診察料が1万円くらいになるけど、いい?と尋ねた。日本の保険会社が支払うからいいよと答えると、僕は待合室に通された。

 

しばらくすると、僕は診察室に呼ばれた。お医者さんは僕に症状を尋ね、聴診器を僕に当てた。その後、何も言わずに僕のお腹を3回くらい押して、その後何も言わなかった。何だと聞いた。インフルエンザだ。

 

その後、薬をもらってまたタクシーに乗って帰った。留学を始め時と同じように、僕は学期の最初の授業を休むことになった。結局、2月は2週間学校を休んだ。

 

その後、薬を飲んで、家で2週間じっとしていたら、学校に行けるようになった。特に再診も点滴もなく、よくなって行ったのは不思議だった。一番不思議だったのは、病院に行って、インフルエンザですと言われた時に、とてもホッとした自分がいたことだった。

 

オランダ人は、イギリス人と似ていて、よっぽどの大病じゃないと病院には行かないらしい。その代わり、しっかり仕事を休んで、家で治す。病院でも文化の違いを感じた不思議な経験だった。


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