卒論体験記No.12 2018-2020

 3年生の2月がすぎると、いよいよ就活が本格化してきた。僕も大学卒業後のことを真剣に考えないといけない時期にきたのだ。

 

短い就活戦記

 3勝30敗。それが僕の就活戦跡である。入った会社がたまたま誰でも知っている大手企業だったから、あたかも僕が狙い打ちして、射抜いた!かのように言う人もよくいるが、、僕の就活は決して褒められたものではない。

 

 自分のキャリアのビジョンを全然描いていなかった僕は、かなり舐めた就活生だったと思う。自分が知っている会社、友だち、先輩が入社した会社をなんとなく選んで受けていた。あと、トビタテ留学JAPANのスポンサーになっているいくつかの企業も受けた。(トビタテに出資してる企業は、海外経験のある学生を評価すると考えたからである。そこはやたらと戦略的だった。)

 

 そんなんだから、軒並み落ちまくった。ESは当時のゼミの先生が何度も添削をしてくれて、ほとんど落ちなかった。しかし、面接は基本的には自分の実力しか出ない。僕のいかにも繕ったような姿は、たくさんの学生を見てきた人事からすれば、余裕で赤点だったと思う。最近ふと思ったけど、先輩と話して話が弾まないとき、大抵僕は無意識に下から感じで合わせにいっている。それは自分に実力や価値がないと言っているのと同じようなもので、僕だって「お近づきになりたい」みたいな感じで後輩に近寄ってこられたらいやだ。失礼にならないラインで、自分の姿を堂々と売り込むみたいなマインドが必要だと思う。面接での僕はおよそそれとは遠かっただろう。

 

 誤解を恐れずに言えば、就活は何人もの子に、同時に「あなたが一番好きです。」と言うようなものだ。(もちろんそうじゃないストロングスタイルの就活をする人もいる。)そんなことをしばらくしていると、自分が本当に好きなもの、本音がわからなくなってくる。就活中盤の5月、毎日片道1時間半かけて、大阪に行く中で精神的にも参っていた。就活中色々な会社と会社員に出会ったけど、中には幼稚園時代の思い出だけを質問して、答えたらすごく注意されたという面接もあった。僕の話し方がマズかったらしい。(幼稚園のことだけ話して帰されるというのは、よくわからなかくなってしまった。もちろん落ちた。)

 

 帰りの電車では、45分寝て、45分読書というのが日課になっていた。当時はビジネス書をよく読んでいたが、途中で内容がほぼ同じということに気づいて読むのをやめた。そこからは、小説、自己啓発、専門書、洋書など雑多に読んでいた。

 

 初めての内定は5月の終わりに出た。でも僕は往生際が悪く、7月まで就活をしていた。貴重な経験にはなったが(僕は就活を利用して、ビジネスパーソンの話を聞きに行くという戦略を取っていた。)、もう少し早く終わってもよかったかなと思う。