現地語で見る景色 ローカルな世界を求めて④ 太陽に集う人々 フランス、ニース

 荷物をホステルに置いて、僕はニースの街に飛び出した。海に続く街並みで迷路のように入り組んでいた。ニースは目玉になるような観光場所があまりない。僕は、ゆっくりと時間を過ごそうと思った。

 

 この街はとにかく明るい。日差しが強いということもあるけど、街の中心部の壁もオンジとかペールのような暖色で塗られていて、いかにもリゾート地といった街並みだった。

 

 半日くらいゆっくりと過ごした。しかし、何もしないというのは案外大変である。外国にいると、どうしても限られた時間でできる限りたくさんのものを見ようとして、そわそわしてしまう。それに一人で旅をしていると、話をする相手も少ない。貧乏な旅をしていた僕は、この街に似合わなくなってきたという気持ちがしてきた。この日は2週間の長旅の息抜きができた。さて、明日はどこへ行こう。そう考えたとき、ふとモナコという地名が頭に浮かんだ。調べると、どうもバスで片道200円くらいで、ニースからモナコまで行くことができるらしい。

 

翌日、もどかしさを感じ始めたニースを後にして、モナコを目指すことにした。モナコは確か世界で一番金持ちな国の一つだ。もしかしたら、モナコはニースよりもっと僕に似合わないかもしれない。そんな思いを抱えながら、翌日モナコを訪れた。