オランダの幻想から離れて

 僕のインド行きのフライトが、とんでもないことになっている。もしかしたら焦げつくかもしれない。

 

 コロナウイルスのせいで、フライトのスケジュールがぐちゃぐちゃになっている。欠航や行き先変更などがたくさん出ていて、僕のフライトの予約もそれに巻き込まれた。僕が予約したのは、北京経由でムンバイに行く中国系の航空会社の便だった。値段が安かったので、とある旅行代理店経由で注文した。だけど、そのあとコロナウイルスが広がって、その航空会社は、手数料なしの払い戻しと僕の便の日付と行き先変更(時間ではなく、「日付」と「行き先」の両方である。)を発表した。当然僕はそれに対応できないので、旅行代理店に電話したのだが、待てど暮らせど電話は繋がらない。もしかしたら、高い授業料になるかもしれない。もしそうなったら、バリバリ働いて取り返そうと思う。

 

 

 そんなことばかり考えていても疲れてしまうので、視野を広げた話をしよう。

今回のインドの旅は、いわゆる卒業旅行な訳だけど、何人かの人に「なぜインド?」と聞かれた。その場でしっくりくる考えが浮かばず、しばらく考えていたのだけど、それはおそらくオランダの幻影から離れるため、なのかなと思った。

 

行き先の候補は、バルカン半島アメリカ、オランダ、ラオスなどがあった。どこも魅力的だったけど、僕は留学していたオランダや夏に行ったマケドニアセルビアとは違う何かを求めていた。確かにそれらの国はきれいだ。人も優しく、特に危険に感じることもほとんどなかった。

 

一方で連続してヨーロッパを訪れてみて、こんな気持ちい場所ばかり訪れていていいのかなという気持ちになった。それに慣れ切ってしまうと、それと違ってエネルギッシュなものを感じられなくなってしまうんじゃないかと思ったからだ。

 

「世界の広さが知りたい」というのは、常に逆のものを見るということだ。インドはオランダとは違った世界を見せてくれると期待している。少なくとも、チケットの一件は新しい経験だった。笑